ロヒプノールの効果(中途・早朝覚醒)のしくみ

ロヒプノールの効果や服用方法のポイント

 

ロヒプノールは、不眠症などに効果を発揮する「睡眠薬」に分類されます。ただし、睡眠薬は効果発現時間などに注意しなければならず、事前に知っておくことはいろいろあります。

 

ここでは、ロヒプノールの効果が出る/出ないケースや、服用方法などの注意点について解説します。

 

目次

 

ロヒプノールの効果が出る確率はどのくらい?

 

ロヒプノールについては、「効果が出る確率」について気になるはずです。確率があまりに低いようだと、服用をためらってしまうかもしれません。

 

ロヒプノールの添付文書の「臨床成績」に有効率が書かれているので、チェックしてみましょう。

 

症状

有効率

不眠症・睡眠障害

67.8%(521/769例)

参考ページ:ロヒプノール添付文書

 

↑を見てもわかる通り、ロヒプノールの有効率は約70%となり、睡眠薬の中では高い数値を誇っています。

 

ただ、使い方を間違うとここまでの有効率は得られません。効果的に利用するために知っておいた方がいいことを、以下で解説していきます。

 

ロヒプノールの効果のしくみ(作用機序)

 

ロヒプノールを効果的に利用するには、まずロヒプノールの作用のしくみ(作用機序)を理解しておく必要があります。ここで解説していきます。

 

人間は体内時計を持っていて、日中は起きていて、夜になるとだんだん眠くなってくるようにできています。これは昼間は脳が覚醒状態で、夜になると抑制されていくためです。しかし、不眠症や睡眠障害を持っている人の場合、夜になっても脳が抑制されず、覚醒状態が続いてしまうため、なかなか寝付けなかったり、早朝に起きてしまったりするのです。

 

 

そこで、ロヒプノールが活用できます。↑はおおまかなイメージ図ですが、ロヒプノールには脳のベンゾジアゼピン受容体を活発にし、「Cl-(Clイオン)」を受け入れやすい体制を作ります。

 

Cl-は脳の働きを抑制し、眠気をもたらす作用があります。そのため、ロヒプノールを服用すると脳が落ち着いた状態になり、眠くなってくることになります。

 

もう一つ確認しておきたいのが、ベンゾジアゼピン受容体の種別です。

 

ω1受容体 睡眠作用を持つ
ω2受容体 抗不安作用・筋弛緩作用を持つ

(ω3受容体も存在するが、精神面とはそれほど関係ないので省く)

 

↑はベンゾジアゼピン受容体の種別となり、2種類が存在しています。このうち、ω1受容体が活発になると眠気がもたらされ、ω2受容体が活発になると不安な気持ちを抑えたり、筋肉を緩めたりする作用をもたらします。

 

ロヒプノールはベンゾジアゼピン系の睡眠薬となりますが、ベンゾジアゼピン系には「抗不安薬」もあります。これは、ω1に強く作用する薬は「睡眠薬」、ω2に強く作用する場合はデパスなどの「抗不安薬」と言われているだけで、本来の作用に大きな違いはありません。

 

そして、ロヒプノールはω1受容体への作用が強いですが、ω2受容体への作用も多少あるため、抗不安・筋弛緩作用も持っているということになります。一方で、ω1、ω2に関わる副作用も両方出てしまうということになるため、ロヒプノールは副作用もそれなりにあるというのが定説となっています。

 

>>ロヒプノール副作用【断薬の方法について】

 

ロヒプノールの副作用については、↑の記事で詳しく解説しているので一度確認してみてください。

 

ロヒプノールの効果発現時間

 

次に、ロヒプノールの「効果発現時間」「持続時間」について把握しましょう。これらを知っておくと、より上手にロヒプノールが利用できます。

 

発現時間 30分~45分
持続時間 約7~8時間

 

↑はロヒプノールの効果発現時間、持続時間となります。個人差はありますが、平均としてはこのくらいの数字になるでしょう。

 

ロヒプノールは睡眠薬の中では効果の発現時間が比較的早いほうです。また、通常発現時間が短いと持続時間も短くなりがちですが、ロヒプノールの場合は約7~8時間程度あり、十分に持続時間を保つことも可能です。

 

「効き目が出るのが早く、効果も長持ち」というのが、ロヒプノールの特徴なのです。

 

>>血中濃度・半減期からわかる持続時間とは?

 

 

ロヒプノールはどんな症状に効果がある?

 

ロヒプノールについて、おおまかに「睡眠薬」というイメージしか持っていないかもしれません。しかし、実は効果が出る症状については偏りがあります。ここでは、ロヒプノールが効果的に作用する場合を紹介していきます。

 

中途覚醒・早朝覚醒

 

中途覚醒・早朝覚醒は、入眠してから2~4時間程度で起きてしまう症状のことです。深夜や早朝に起きてしまい、しかも眼が冴えてしまって二度寝ができない状態となるため、日中眠くなったりしてつらい症状となります。

 

中途・早朝覚醒の原因は「浅い眠り」です。人間は睡眠中、深い眠りと浅い眠りを繰り返す特徴があります。そして、睡眠が浅いときに目覚めてしまうと、中途・睡眠覚醒になってしまうのです。

 

中途・睡眠覚醒しやすい人は以下の通りです。

 

  1. 加齢による睡眠の質の低下
  2.  

    年齢を重ねるとだんだん睡眠の質が低下して眠りが浅くなり、早朝に起きてしまうようになります。

     

  3. 生活習慣の乱れ
  4.  

    お酒を飲む習慣が続いたりすると、睡眠の質が落ちて、中途・早朝覚醒しやすくなります。

     

  5. 痛みなどの持病
  6.  

    腰痛・肩こりなどが夜中に痛くなって、覚醒してしまうケースがあります。

     

  7. 睡眠時無呼吸症候群
  8.  

    睡眠中に呼吸が止まって、起きてしまうことがあります。

 

中途・早朝覚醒にはさまざまなケースがありますが、「睡眠の質」が落ちているのが原因のことが多くなっています。

 

それでは、なぜロヒプノールは中途・早朝覚醒に効果があるのでしょうか?

 

医薬品名

持続時間

マイスリー

3~4時間

アモバン

2~3時間

ロヒプノール

約20時間

 

中途覚醒・早朝覚醒の治療の場合、睡眠薬選びは「持続時間」がカギになります。↑は代表的な睡眠薬の持続時間一覧ですが、よく知られている「マイスリー」「アモバン」については持続時間が3~4時間程度しかありません。つまり、寝ている間に効果が切れてしまい、中途覚醒・早朝覚醒には効果が発揮できないということなのです。

 

その点、ロヒプノールの効果持続時間はおよそ20時間となり、十分な時間が確保されます。そのため、寝ている間に効果が切れることはなく、中途・早朝覚醒にしっかり効果を発揮するのです。

 

ロヒプノールが効果を発揮しない、効きにくいケース

 

ロヒプノールが中途覚醒・早朝覚醒に大きな効果を持っていることは説明した通りです。では、「ロヒプノールのが効かない、効きにくい」ケースはあるのでしょうか?解説していきます。

 

入眠障害(寝つきが悪い)

 

入眠障害とは、布団に入って目を閉じてから、30分以上たっても眠れない症状のことを指しています。なかなか寝つけなくて何時間も布団の中で過ごすことになり、かなりつらい症状となります。

 

まず結論から言うと、ロヒプノールは入眠障害にも効果はあります。ただ、ロヒプノールは「入眠障害の専門家」であるアモバン・マイスリーには効果の面で及びません。

 

医薬品名

入眠障害

中途・早朝覚醒

ロヒプノール

アモバン

×

マイスリー

×

 

↑は各睡眠薬のおおまかな特徴となります。先ほど紹介したように、ロヒプノールは中途・早朝覚醒に強く、アモバン・マイスリーは弱くなっています。一方、「入眠障害」に限って言えば、ロヒプノールはアモバン・マイスリーには敵わないのです。

 

そのため、入眠障害だけが問題のときは、ロヒプノールよりアモバンやマイスリーのような「超短期作用型」の睡眠薬を使う方がいいでしょう。入眠障害と中途覚醒の両方がある場合はロヒプノール、と言う形で使い分けるのが一般的です。

 

熟眠障害(寝た気がしない)

 

熟眠障害は、「しっかり睡眠時間を確保したのに、寝た気がしない」「ちゃんと寝たのに、日中眠くなる」といった症状のことを指しています。

 

熟眠障害は、多くの場合「睡眠の質」に問題があります。浅い睡眠中に起きてしまうのが中途・早朝覚醒ですが、起きるまではいかなくても、浅い眠りが続いて翌朝寝た気がしない、というのが熟眠障害なのです。

 

一般的に、睡眠薬は脳を抑制して眠りを維持する作用はありますが、睡眠の質を大幅に改善させるまではできないと言われています。ロヒプノールもそれは同じで、中途・睡眠覚醒を抑えることはできても、朝起きて熟睡感を得ることはあまりできないことが多いです。

 

また、ロヒプノールは持続時間が20時間あるため、翌朝起きたときにはまだ12時間程度作用が残っています。しっかり眠っていればある程度は軽減されますが、それでも日中の「眠気」の副作用は切り離せないのです。

 

そういった意味でも、人によっては「熟睡した感じ」を得られないというのがロヒプノールのデメリットとなります。

 

まとめ

 

ロヒプノールは効果の持続時間も長いため、中途覚醒・早朝覚醒に強い効果を発揮します。また発現時間も早いので、ある程度入眠障害にも対応できます。

 

ただ、入眠障害には専門の「アモバン」「マイスリー」などがあるので、入眠障害だけが問題ならそちらを選んだ方がいいでしょう。

 

また、起きてから熟眠感を得られない「熟眠障害」についてはロヒプノールを含め、睡眠薬は適していません。もし朝起きて寝た気がしないようなら、生活リズムを正したり、サプリを活用するなどして、熟眠感を得られるようにしたほうがいいでしょう。

 

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